医師として社会生活を送る中で、ポイ活をはじめ税金や確定申告の悩みを持つことが多いと思います。
また、節税をするためには経費の考え方も非常に重要な要素です。
本記事では、現役の税理士が医師に関わる税金・確定申告・経費の考え方などについて徹底的に解説します。
※2025年3月時点での解釈・回答となります。
法令改正などにより、取り扱いが変更となる可能性がありますので、ご留意下さい。
ポイント活動(ポイ活)の税金は確定申告必要?
ポイントをもらったら、確定申告する必要がありますか?
【回答】
消費者が物を購入して、ポイントをもらう分にはただの値引きと考えられるため、税金はかかりません。したがって、確定申告をする必要はありません。
ただし、一般的には、アンケートに回答するなど、対価性のある形でポイントを取得した場合には雑所得、抽選で当たるなど、対価性がない形でポイントを取得した場合には一時所得、と言われています。
こちらに当てはまる場合にも、サラリーマンなどの給与所得者の場合には、給与以外の所得が20万円以下であれば確定申告をする必要はありませんし、一時所得の場合には、50万円の特別控除がありますので、50万円以下であれば確定申告をする必要はありません。
ちなみに、ポイントは取得した時点で課税されると誤解されやすいですが、使用した時点で課税されることになります。
なお、ポイ活について知りたい方は【2025年最新版】医師のポイ活完全ガイド|一括で紹介・登録可能!初心者もおすすめ利用方法も現役医師が徹底解説をご参照ください。

事業所得・雑所得とは
事業所得とは?雑所得とは?経費が使える?
雑所得や事業所得とは?給与所得とどう違うのでしょうか?
【回答】
雇用による勤務の対価としてもらうのが給与所得、自ら事業を営んでいる人がその事業から得るのが事業所得、9種類ある所得の種類のうち、どの所得にも分類できないものが雑所得になります。
給与所得者の場合には、勤務先で年末調整が行われることが一般的であるため、確定申告を行う必要がありません。
ただし、給与収入が2,000万円を超えるとき、2か所以上から給与をもらう場合など一定の場合には、確定申告を行う必要があります。)
事業所得や雑所得は、収入から経費を差し引いた所得を確定申告する必要があります。
事業所得と雑所得の違いは、いくつかあるので、下記にまとめます。いずれも事業所得の方が有利となっています。
内容 | 事業所得 | 雑所得 |
損益通算 | できる | できない |
青色申告特別控除 | 控除できる | 控除できない |
純損失の繰越 | 3年間繰り越せる | 繰り越せない |
青色事業専従者給与 | 支給できる | 支給できない |
実務上は、事業所得と雑所得の判断に迷うことがあります。判断の基準は記帳・帳簿書類の保存があればおおむね事業所得となります。しかし、様々な要素を総合判断する必要があり、例えば、例年収入が300万円以下で主たる収入に対する割合が10%未満、例年赤字が続いている、などの場合には雑所得とみなされてしまいます。
雑所得の経費申請
雑所得の場合は、細かい帳簿などは不要で、経費などは自己申告で良いのでしょうか?
【回答】
帳簿を作成する義務はありません。
しかし、前々年の雑所得の収入が300万円超であれば、領収書などの取引書類を5年間保存する必要があります。
経費は、自ら集計し申告する形で構いません。
経費が使える仕事内容
具体的に、医師の副業で経費が認められる可能性が高い仕事にはどんなものがありますか?
【回答】
例えば、下記のような副業があり、それぞれの仕事を行うために必要な支出であれば必要経費と認められると考えられます。職務内容により必要な支出が異なりますので、各職務内容によって検討すべきです。
- ライターなどの執筆業
- Webコンテンツの配信
- 講演会の講師
- オンライン診療、相談
- コンサルタント
- 監修業務
医師のアルバイトは事業所得になる?
通常、医師の診察業務は給与所得に該当すると聞きましたが、例外はありますか? 例えば、保険診療外の場合、勤務先の条件提示が業務委託契約であった場合、など・・
【回答】
一般的には、医師の診療業務は常勤でも非常勤でも給与所得に該当することが多いです。
仮に業務委託契約を締結している場合でも、税務上は契約の外観ではなく、実態により判断し、給与所得か事業所得か判断することになります。
判断のポイントは、代替性の有無、拘束性の有無、指揮監督の有無、報酬請求権の有無、材料又は用具等の供与の有無、などを総合的に勘案して検討することになります。
その結果、自ら事業を行っていると認められれば、事業所得になると考えられます。
不動産投資は何所得?
不動産投資による収入も事業所得や雑所得に含まれますか?
【回答】
不動産所得に該当しますので、事業所得や雑所得にはなりません。
なお、不動産には、土地や建物だけではなく、船舶や航空機の貸付けも含まれることになります。
経費の考え方7選
必要経費とは、簡単に言うと、収入を得るために必要な支払いのことをいいます。なぜ支払いが必要なのか、どのような効果が期待されるのか、などを説明することが求められます。
なお、必要経費は一部を仕事で使用し、一部をプライベートで使用する場合には、仕事で使用する部分だけを必要経費にすることができます。
その前提で、具体的な事例を踏まえて検討します。

パソコン
副業での雑所得の経費には、パソコンは入れる事は可能なのでしょうか?
【回答】
副業をパソコン上で行うのであれば、必要経費になると考えられます。
書籍
副業での雑所得の経費には、書籍は入れる事は可能なのでしょうか?
【回答】
副業に関連する書籍であれば、必要経費になると考えられます。
スーツ
講演会登壇で使うスーツは経費として認められますか? また、zoomでのオンラインインタビューの場合はどうですか?
【回答】
一般的には、スーツは必要経費に算入しにくいと言われます。その理由は、プライベートでも使用できるから、と指摘されるからです。そのため、必要経費として認められるためには、業務上必要となること、業務外では使用しないこと、を説明できることが求められます。リアルな講演会でも、Zoomでも、これらの説明が可能であるかどうかで検討すべきかと思います。
カフェ
作業するために訪れたカフェ利用の場合は経費になりますか?
【回答】
仕事をするための利用であれば、必要経費になると考えられます。
飲み会
医師同士の食事会やお茶会は、交際費として計上可能ですか? また、割り勘・まとめ払いのレシートどちらでも大丈夫ですか?
【回答】
交際費とは、得意先、仕入先その他事業に関係のある者などに対する接待、供応、慰安、贈答などの行為をいいます。したがって、相手が事業に関係のある者で、収入を得るために必要であれば、必要経費になると考えられます。
今回は医師同士なので、いわゆる同業者団体に該当します。業務に関連する情報収集ということであれば、交際費として計上可能と考えられます。
税務調査のことを考えると、相手先や人数、話した内容などが回答できる準備をしておくことが望ましいです。
割り勘でも、まとめ払いでも、自分の負担した分の領収書があればその分が必要経費となります。
光熱費と家賃
家で副業をしている場合、光熱費(電気代)と家賃を経費として計上することは可能なのでしょうか?
【回答】
仕事で使用した部分は、必要経費になると考えられます。
しかし、実務上は仕事で使用した部分の算出方法が問題となります。算出方法の例として、仕事部屋がある場合には面積比、1年のうち家での勤務時間や日数、などが一般的です。
ゴルフ費用
事業に関連する方とのゴルフのラウンド費用は交際費になりますか?
【回答】
事業に関連する方とのゴルフであれば、交際費として認められると考えられます。
税務相談・税務調査

良い税理士を見分けるには
同業者目線で、いい税理士の見分け方はありますか?
【回答】
一般的には、専門性、人間性、コストパフォーマンス、レスポンスの速さ、などが見られているように思います。
開業医などを専門にしている事務所もありますし、何を重視するかを検討しておくと判断しやすいですね。
確定申告の依頼費用
税理士の先生に確定申告をお願いする場合の相場を教えてください。
【回答】
以下の3つの場合に分けて回答します。
①医師として、給与所得のみの場合
②医師としての給与所得に加え、雑所得が100万円/年ある場合
③医師としての給与所得に加え、個人事業主として300万円/年の売り上げがある場合
事務所の方針によりそもそも引き受けない場合もありますし、費用感も様々となりますが、個人的な主観では下記のような金額感と思います。
① 、② 数万円程度
③ 10~20万円程度
金額が変わる要素は、月次打ち合わせの有無、記帳の有無、記帳の処理量、などが一般的かと思います。
確定申告の依頼時期
確定申告を税理士に依頼する場合、何月ごろまでに依頼するのがよい?
【回答】
年内に依頼するほうが無難です。節税を検討する場合には、年内でなければできませんので。
税務調査で狙われやすい人
税務調査で狙われやすいのはどんな人ですか?
【回答】
開業医など事業所得がある方を前提とすると、
- 事業所得の赤字を給与所得と損益通算している
- 事業所得の費用が同業他社と比べて多い
- 過年度と比べて大きな費用が計上されている
などが一般的かと思います。
近年では、AIを使った税務調査先の選定が行われており、上記のような要素を分析していると考えられます。
本記事の監修:上田純也税理士
本記事を監修したのは、上田純也税理士です。
下のリンクから上田先生のHPに飛べますので是非ご参考にしてください。
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